低圧太陽光発電所を長く運営していると、
「パネルはまだ大丈夫そうだけど、パワコンはいつまで使えるのだろう?」
と気になることがあります。
私自身、低圧太陽光発電所を運営していますが、今年、実際にパワコンの劣化を経験しました。
使っているのは田淵電機のパワコンです。
今年、真夏の暑い時期に、
発電量が落ちる
ということがありました。
調べてみるとファンがエラーで停止していました。
その影響でパワコン内の温度が上昇し発電量が落ちました。
エラーを解除しただけでは直らなかったので、冷却ファン3個を交換しました。
これまでは、
「パワコンはまだ動いているから大丈夫」
と思っていました。
でも今回の経験で、
完全に壊れる前から劣化は始まっている
ということを実感しました。
今回は、この経験も含めて、低圧太陽光を長く持つ場合にパワコンについて何を確認しておきたいか整理します。
そもそもパワコンは何をしているのか
太陽光パネルで作られる電気は、そのままでは電力系統へ流せません。
パネルで発電した直流電力を、
電力系統で使える交流電力へ変換する。
その役割を担っているのが、
パワーコンディショナー
です。
つまり、
パネルが正常でも、
パワコンが正常に動かなければ、
発電した電気を十分に売ることができません。
太陽光パネルが「電気を作る設備」なら、
パワコンは、
作った電気を売れる状態にする設備
だと考えると分かりやすいと思います。
今年、田淵電機のパワコンでファンを3個交換した
今年、私の発電所では、
田淵電機のパワコンの冷却ファンが劣化し、
3個交換しました。
パワコンというと、
「本体が故障したら交換」
というイメージを持っていました。
でも実際には、
その前にファンなどの部品が劣化します。
冷却ファンは、
パワコン内部の熱を逃がすための重要な部品です。
ファンの性能が落ちれば、
内部温度が上がりやすくなります。
そして今年の真夏、
ファンがエラーで停止し、
内部温度の上昇による発電量の低下を経験しました。
真夏にファンが停止し、パワコン内部が高温になった
今年の真夏、
パワコンの冷却ファンがエラーで停止していました。
その影響でパワコン内部の温度が上昇し、
発電量が落ちました。
最初は、
「最近、発電量が少ないな」
という程度でした。
天候の影響かとも思います。
しかし確認していくと、
ファンの停止によるパワコン内部の温度上昇が関係していました。
ここで感じたのは、
パワコンの異常は「完全停止」だけではない
ということです。
動いているように見えても、
高温による制御やエラーによって、
本来発電できるはずの電力量を取り切れていないことがあります。
なお、これは電力系統の需給に応じた「出力制御」とは別の話です。
出力制御は系統側の事情で発電を抑えるものですが、今回は、ファンの停止でパワコン内部の温度が上がったことにより、本来売れたはずの電力量が減ったものです。
発電量が落ちたときは、
天候、出力制御、設備トラブルのどれが原因なのかを、
分けて確認する必要があります。
「動いているから大丈夫」が一番怖い
今回の経験で、
私が一番感じたのはここです。
パワコンが完全に止まれば、
異常に気づきやすいです。
遠隔監視でも分かります。
しかし、
一時的にエラーが出る。
暑い時間だけ出力が落ちる。
再起動すると戻る。
こうした状態では、
「まだ使えるから大丈夫」
と思ってしまいます。
でも、
その状態が何日も続けば、
少しずつ売電量を失っていきます。
つまり、
故障していなくても、すでに損失が発生している場合がある
ということです。
夏場は特にパワコンの状態を見た方がいい
太陽光発電にとって、
夏は発電量が多くなる時期です。
一方で、
設備にとっては厳しい季節でもあります。
気温が高い。
直射日光を受ける。
パワコン内部も熱を持つ。
冷却ファンも長時間動く。
そう考えると、
夏場は、
発電量を稼げる時期であると同時に、設備への負担が大きい時期
でもあります。
私の場合も、
ファンの停止によるパワコン内部の温度上昇で発電量が落ちました。
だから今後は、
夏になる前に、
- ファンの動作
- エラー履歴
- パワコン周辺の通気
- 発電量の変化
- 遠隔監視の警報
を確認しておきたいと思っています。
ファン交換で済むうちに対応する意味
今回、交換したのはパワコン本体ではなく、
冷却ファン3個
でした。
もしファンの劣化を放置し、
内部温度の上昇を繰り返せば、
他の部品にも負担がかかる可能性があります。
そうなれば、
ファン交換だけでは済まなくなるかもしれません。
もちろん、
すべての故障を予防できるわけではありません。
それでも、
小さな異常を早く見つけて対応することは、
設備を長く使ううえで意味があると思います。
1.最近エラーが増えていないか
私ならまず、
エラー履歴を確認します。
今回のように、
ファンのエラーや停止が出ていないか。
高温時にエラーが出ていないか。
一時停止が増えていないか。
再起動が多くないか。
特定のパワコンだけ異常がないか。
こうした履歴を見ます。
「今は正常運転している」
だけではなく、
過去数週間・数か月の履歴を見る
ことが大切だと感じました。
2.同じ晴天日でも発電量が落ちていないか
今回の経験から、
発電量の比較も重要だと感じています。
例えば、
去年の同じ時期。
同じくらい晴れた日。
他のパワコン。
と比較します。
天候条件が似ているのに、
明らかに発電量が低い。
特定の時間帯だけ落ちる。
こうした変化があれば、
設備側の問題を疑った方がいいかもしれません。
ただし、
出力制御がかかった日は、
設備が正常でも発電量が下がります。
そのため、
出力制御の実施情報とあわせて確認することが大切です。
3.交換部品がまだ入手できるか
田淵電機のパワコンを長年使っていると、
今後は、
部品供給についても気になります。
今回はファン交換で対応できました。
しかし、
発電所をさらに長く運営するなら、
今後、
どの部品まで交換可能なのか。
後継機種はあるのか。
本体交換になった場合どうするのか。
を事前に確認しておいた方が安心です。
4.交換費用だけでなく「売電損失」も見る
例えば、
部品交換に費用がかかると、
「もう少し様子を見よう」
と思うことがあります。
でも、
その間に発電量が落ちているなら、
売電損失も発生しています。
私のように、
FITで売電している発電所なら、
1kWh発電できなかった分だけ、
そのまま売電収入にも影響します。
だから、
修理費を惜しんだ結果、売電損失の方が大きくなる
可能性もあります。
5.パワコン交換時期と発電所の出口を一緒に考える
ファン交換程度なら、
比較的判断しやすいです。
でも、
今後パワコン本体の交換が必要になったときは、
少し話が変わります。
あと何年FITが残っているのか。
あと何年発電所を持つのか。
売却する可能性はあるのか。
FIPを検討するのか。
蓄電池を組み合わせるのか。
これらも含めて考える必要があります。
つまり、
パワコン交換は、発電所全体の今後を考えるタイミング
にもなると思います。
「売電収入=利益」ではないと改めて感じた
太陽光発電を始めた頃は、
売電収入を見ることが中心でした。
でも長く運営すると、
修繕が発生します。
今回のようなファン交換。
草刈り。
点検。
フェンス。
水路。
将来的なパワコン交換。
こうした費用を考えると、
売電収入のすべてが利益ではありません。
発電所を長期運営するなら、
修繕用のお金を残しておく
ことも必要だと思います。
パワコンの異常を早く見つけるために私が見るもの
今回の経験を踏まえて、
今後は少なくとも次の項目を確認したいと思っています。
① エラー履歴
暑い時間にエラーが集中していないか。
② 発電量
前年比や他のパワコンと差がないか。
③ ファンの状態
異音や停止がないか。
④ パワコン周辺
通気を妨げているものがないか。
⑤ 部品供給
故障した場合に交換できる部品があるか。
⑥ 修理費用
どのくらいの費用を想定しておくべきか。
こうしたことを、
完全に壊れる前から確認していきたいと思っています。
7年運営して初めて見えてきた「設備の老化」
太陽光発電を始めたばかりの頃は、
設備はすべて新品でした。
当然、
故障や部品劣化を意識することもほとんどありませんでした。
でも7年ほど経つと、
少しずつ、
設備の老化
が見えてきます。
今回は、
田淵電機のパワコンでファン3個を交換しました。
そして真夏のファン停止による温度上昇で、
実際に発電量が落ちました。
これは、
「いつか設備が古くなる」
という一般論ではなく、
自分の発電所で実際に起きたことです。
だから今は、
太陽光発電は、発電量だけでなく設備状態まで見る必要がある
と強く感じています。
まとめ|壊れる前の小さな変化を見逃さない
低圧太陽光発電所を長く持つなら、
パワコンは必ず意識する設備です。
私自身、
今年、
田淵電機のパワコンで、
冷却ファンを3個交換しました。
さらに、
真夏にファンがエラーで停止し、
パワコン内部の温度が上昇して、
発電量が低下する
という経験もしました。
この経験から感じたのは、
パワコンは、
完全に壊れてから対応するのでは遅い場合がある
ということです。
エラーが増えた。
発電量が落ちた。
ファンの音がおかしい。
高温時に止まる。
こうした小さな変化を見逃さない。
そして、
部品交換で済むうちに対応する。
これが、
発電所を長く運営するためには大切なのだと思います。
太陽光発電を7年続けてきて、
今は、
「どれだけ発電するか」
だけでなく、
「設備をどう守りながら発電を続けるか」
を考える時期に入ってきたと感じています。


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